Arma2 迫撃砲の使い方

Mortar_firing

はじめに

サーバーでのCoopの際にたまに迫撃砲チームを見かける事があると思います。
Arma2のデフォルトではArtillery computerでマップをクリックすると誰でも簡単に使う事ができます。
しかしCoopでの迫撃砲ではそういった簡単な使用方法ではなく、ACE2の機能を使った複雑な迫撃砲の使い方を求められる場合があります。
迫撃砲に興味はあるけど使い方が分からない、そんな人の為にこの記事では迫撃砲のあれこれや使い方なんかを説明していきたいと思います。
これを読めばあなたも立派な迫撃砲要員になれるでしょう!

そもそも迫撃砲って?

迫撃砲とは間接射撃を主とし、発射時に上方に大きく弧を描く比較的簡易な構造をした火砲です。
榴弾砲などの他の火砲よりも軽く歩兵が持ち運び運用可能な事から、砲兵ではなく歩兵部隊なんかに配備されてます。
他の火砲と比べると射程も短く精度も劣るのですが、少人数で比較的簡単に運用できる為前線の歩兵と密接に連携し部隊に貴重な間接火力を提供できます。

 迫撃砲の任務

部隊に配属された迫撃砲は観測部隊からの指示に従い攻撃を行います。
前線に居る味方の観測部隊と連携を取り、修正を繰り返しながら攻撃をします。
上手に扱えれば敵の陣地や歩兵、トラックなどの非装甲目標に対して高い効果を発揮します。
ですが移動目標や戦車などの装甲車両などに対しては効果は限定的で撃つだけ時間の無駄といった効果しか与えられない事もあります。

砲撃の流れ

Coopで迫撃砲が登場する場合は大抵Forward Observer(FO)かそれに準じる観測部隊が一緒に登場します。
迫撃砲チームは最初FOからの火力支援要請を受けます。FOからは目標の座標や対象の種類、弾の種類など砲撃に必要な情報が伝えられます。
要請を受けて砲の調整を完了したら次は試射を行います。1~2発の弾を発射しFOに対して試射を開始したと伝えてあげてください。
最初の一発が予定通り目標に命中するのは稀です、試射を繰り返して目標にあたるように修正を繰り返していくことになります。
試射が終わると次はいよいよ効力射です、何発撃つのかというのは本来迫撃砲側で決めるのですがCoopではFOや指揮官から何発撃ってくれという形で要請が来ることが多いです。
効力射が終わるとFOから砲撃の効果が伝えられます。目標を達成できなかった場合は再度射撃を加える事もあります。

必要な装備

ここからはゲーム内の事を解説していきます。

絶対に必要な物

  • 迫撃砲 これが無いと始まりません。
  • 砲弾 榴弾の他にもスモークや照明弾もあります。
  • レンジテーブル 砲弾ごとの距離と仰角が書かれてます。
  • MAP  現在位置や目標の場所を確認できます。
  • コンパス 方角を調べられます

可能な限り欲しい物

  • Aiming Post 迫撃砲の指向に使います、無くても代用が利きますが厳しいです。
  • MAP Tools マップ上で距離と包囲が調べられます。

あれば嬉しい物

  • DAGR 正確な現在位置や目標との距離、海抜高度などが分かります。
  • Vector 21B Nite / Battery 砲兵ミルでの方角が調べられます、NATOや日本は円周は6400ミルですがロシアは6000ミルだったりと国によって違いがあります。
  • SOFLAM 上記のVector 21Bと同じく砲兵ミルが調べられます、どちらか片方あればいいでしょう。
  • 時計 砲弾のETAが後どれくらいか分かります

色々と書きましたが迫撃砲が登場するミッションでは大抵作者の人がこれらの装備を予め持たせておいてくれてます、あまり心配する必要も無いかもしれません。

迫撃砲の設置

ここからはゲーム内での具体的な操作を説明していきたいと思います、迫撃砲の種類も色々あるのですがここではM252 81mm迫撃砲を使用して説明していきます。
他にも60mmや120mm、ロシア製の迫撃砲もありますが操作はすべて同じなので問題はないでしょう。
Coopでは予め迫撃砲が設置されているケースが多いですがそうでない場合もあります。
81mm迫撃砲はベースプレートと砲身の二つの部品に分割されてます、M3A1base plateとM253+M117がそれです。
ベースプレートを地面に設置した後残りの部品をマウントすれば迫撃砲が組み立てられます。

設置場所の選定

迫撃砲を設置する場所はどこでも良いと言う訳ではありません。
敵から射線が通っていたりすると相手からの攻撃で砲撃どころではなくなってしまいます。
通常は味方部隊から1~3km後方に設置するのが良いです、これ以上遠くなると砲撃の精度が落ちますし味方との連絡も難しくなります。
安全な位置から目標が望める高台などがベストですがそういう都合のいい土地はなかなかありません。
ある程度周りが開けていて障害物が無いところであれば直接見えなくても問題はありません。

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Aiming Postを設置する

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迫撃砲の設置が終わったら次はAiming Postと呼ばれる物を設置します。
日本語では標桿といい砲を指向する際の基準となります。
これが無くても一応ランドマークや山を利用しても照準が可能ですがあった方が良いでしょう。
まずは設置された迫撃砲に乗り込みViwe sightunitを押してください。色々と数値が出てきましたがこれは後で解説します。
次にChange Viewを押してください、これで迫撃砲の照準器を覗き込んでいる事になります。

覗き込むと下の画像の様な表示になっているはずです、この照準器の中央に重なるようにAiming Postを設置します。

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Aiming Postは二本設置し一本目は迫撃砲から25m、二本目は50mの位置に設置します。
Aiming PostにはM1A2 M58とM1A2 M59の二種類があります。
設置する際にはM58の方を迫撃砲から25m地点、M59の方を50mに設置します。
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Aiming Postを持ったらセルフインタラクションメニューにPlace Aiming Postと表示が出てきます。
それを押すとAimin Postを正面に構えた状態になり、右上に数字が表示されたと思います。
この数字は迫撃砲からの距離を示しています、設置する際はこれを確認して設置しましょう。
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Aiming Post設置中に右上の距離の表示が1e+010と表示される事があります。
これは迫撃砲に対して横を向いていたり上下に大幅にずれた方向に視線があると起こる現象です。
この表示が出る場合は迫撃砲をしっかりと画面の中心に捉えるようにしましょう。
25m地点ではあまり出ないのですが、50m地点になると判定がシビアになるので注意してください。
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以上でAiming Postの設置は終わりになります。
この二本設置したAiming Postを基準にしてこれから照準を行っていきます。

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角度の照準を行う

迫撃砲に乗り込みViwe sightunitを押してみると左上に色々と数値が出てきます。
迫撃砲はこの数値を動かす事で照準をしていくことになります。
まずはデフォルトの数値がAzimuth 2800 Deflection 3200になっているか確認しましょう。

Viwe sightunit

確認が終わったら次はいよいよ実際に照準器を動かす事になります。

この記事では例としてTakistanのMAPを使って実際に迫撃砲を使用してみようと思います。
まずはFOから要請を受けた砲撃の座標を確認します、ここではGRID 044 120に存在するの池の中央にある車両を目標とし、TGTとしてマークします。

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次にマップ上に迫撃砲が置かれている正確な位置と先ほど伝えられた目標座標にマーカーをおきます。
DAGRを使い迫撃砲の位置をマップに書きます、GRID 0568 1141となり位置関係は下の画像の様になっています

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それが終わればマップツールを使い迫撃砲の位置と目標との角度を出します、デフォルトではHキーを押しながら左クリックをするとマップツールがクリックした位置に移動します。
マップツールの中心を迫撃砲を設置したマーカーにあわせてください。マップツールのコンパス部分の中心にある黒い点が中央になります。

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コンパス部分の円周には数字が書かれています、通常のコンパスでは360度表記ですがこれは6400milの表記になっています。
赤い針の上を左Shiftを押しながらマウスを左右へドラッグすると画像の様にマップツールが回転します。
回転したら黒い針の部分を目標にあわせてください。黒い針を目標に合わせた時に指し示している数字が目標との角度になります。

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ここでは5260mil辺りを指し示しています。1メモリは20milです、これで目標との角度が分かりました。
次に現在迫撃砲の砲身がどの方向を向いているか調べます、これはAzimuth of Fire(AoF)などといいます。
迫撃砲の後ろに立ちVectorを覗き込み電池を入れると360度表記の方位が現れます。
左Alt+Rを一度押すと6400mil表記に切り替わります。6300milなど違う数字が現れた場合はAlt+Rを何度か押すことで切り替えすることができます。
これを使い迫撃砲のAoFを調べます。画像では0となっていますがこれは6400milと同意義です、どちらで計算しても答えは同じになります。

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またAiming Postの方位を計ることでもAoFが求められます。
下の画像では6000milとなっていますがデフォルトでは照準器の視線の先とAoFは400milずれているので6000+400で6400milとなります。

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次に目標の角度(例では5260mil)からAoF(6400mil)を引きます、出てきた答えは-1140です。
この-1140をDeflectionの3200と足し算します、[3200+(-1140)]=2060になります。
2060と出た数字を迫撃砲に入力します。
中央左上にあるDef+、Def-を押してDeflectionの値を2060にします。
ボタンを押すときにShiftを押しながらだと10、Ctrl+Shiftを押しながらだと100単位で変えれます。
この操作は他のボタンを押す際にも有効です。
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Def+、-のキーを押すと同時にAzimuthの値も変わりますが問題はありません。
この時他のボタンは押さないでください、特にRe+、Re-を押すと照準がずれてしまうので気をつけてください。
数値を入力が終わると次はChange Viewを押してサイトユニットの視点に切り替えます。
先ほどまで見えていたAiming postが見えなくなっているのが分かります。
迫撃砲本体を左右へ動かしてAiming postが視点の中央に来るように移動させてください。微調整であれば矢印キーの左右でも少しだけ動かせます。
この時先ほどと違い完全にAimingpostが重ならないと思いますが二つの中央辺りに合わせるようにしてください。

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これで迫撃砲の砲身を目標に向けることに成功しました、次は距離の調整を行います。

照準器のDeflectionに入力できない数値が現れる場合

今回はDeflectionに入力する数値を計算した結果が[3200+(-1140)]=2060とプラスの数字になっています、しかし計算結果の数値がマイナスの場合や6400を超える数値が出ることもあります。
たとえば-1450等と出てきた場合はこの数値をそのまま入力する事はできません、その為マイナスの数値が出た場合は6400からマイナスの数値を引いてください。
-1450の場合は6400-1450=4950となり4950がDeflectionに入力するべき数値となります。
また計算の結果が6400を超える事もあります。
例として計算した結果7850と出たとします、照準器のDeflectionの数値は6400までしかありませんので先ほどと同じくこのままでは入力できません
この場合は7850から6400を引く事によって入力するべき数値が求められます。
7850-6400=1450となりDeflectionには1450と入力する事になります

距離の照準を行う

距離の調整は先ほどよりはは難しくありません。
まずは先ほどのマップツールを使い距離を測ります、計測さえできれば何でも良いのでVectorやDAGRを使っても問題はありません。
マップツールは先ほど設定して傾いたままだと思います、この角度は変更しないでください。
黒い中央の点をドラッグするとマップツール全体が動かせます。
マップツールの外枠に書かれている数字は全て縮尺の違う定規ですが、今回は右側縦に並んでいる所を使います、1メモリは100mです。
ここでは目標までの距離は1400mとなっています、次はレンジテーブルを開いて1400mに対応するElevationを探します。

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このレンジテーブルはchargeと弾種別の表となっています、榴弾を撃つのにWPの値を入力しても正確に飛びません。
chargeとは装薬の事でこれを増やす事によりより遠距離まで射撃することができますが、代償として着弾までの時間が延びて精度が悪くなります。
charge 1で調べた所1400mでは1138だと言う事が判りました。しかしこれで十分ではありません標高差を補正する必要があります。

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迫撃砲の設置されている標高をマップかDAGRで調べます。どちらも海抜高度(ASL)で表示されてます。
設置地点のASLは2083、目標地点はMAPの等高線から読み取ると2003になっていて差は-80mです。

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レンジテーブルは1400mでは-100毎に+19となっています。
今回は-80なので19の80%である+15となりElevation1153となりました。
迫撃砲に戻り1153と入力しましょう、El+、EL-で調整できます。
入力が終了したらLevelがずれていることに気が付くかと思います、矢印キーの上下を押して下の画像の様になるようにしましょう。

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それが終了したら今度はOptic Levelの調整です、視点を変えてOp-、Op+を押して先ほどと同じように調節しましょう。この時Aiming postがずれていたらそちらも調節します。

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これで照準はおしまいです、次はいよいよ弾薬の生成と発射になります。

弾薬の生成と発射

現状のCoopでは弾の作り方は二種類あります、普通の弾と同じように弾薬箱の中に入っているタイプと弾薬箱にインタラクションメニューでアクセスして生成するタイプです。

弾薬箱の中に入っているタイプ

弾をインベントリに入れてセルフインタラクションからPrepare Shellで生成できます、その後生成された弾にインタラクションでアクセスして装薬や信管を設定できます。

弾薬箱にインタラクションで生成するタイプ

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弾薬箱に対してインタラクションメニューを押し、Prep Arty Roundsを選ぶと次のような画面になります。
これは先ほどのPrepare Shellで生成した弾薬を調節する画面と同じです。
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書かれている内容を説明しましょう。
Current Charge :4と書かれていますがここの右側のCharge Up、Downを押すことで装薬の増減ができます。
その下に書いてあるFuzeは信管の設定になります。

Impact Burst 着弾した瞬間に爆発します。
Proximity Burst 地面から2メートル程の距離で爆発します。
Near-Surface Burst 地面直近で爆発します。
Deley 着弾後少し待ってから爆発します。

弾の種類によっては他にも時限信管などがあります。
通常射撃する分に関しては着発信管で問題はないでしょう。
先ほどはCharge1に合わせてElevationを設定したのでCharge1に弾を設定します。
弾の設定が終わるりPREP ROUNDを押すと弾が生成されます。

生成された弾にインタラクションキーを押し、Carryで持つことができます。

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右上に弾の種類と信管、装薬量が表示されるので装填前に注意しましょう。
Carryで弾を持った状態で迫撃砲に対してLoad Gunを押すと装填できます。
複数人で運用する場合は装填したときにそのことを周りに知らせてください。

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これで発射前の準備は全て終わりました、次は射撃になります。
装填が終わればガンナー席に座ってください、発射前には必ず砲身の先に誰も立っていないか確認してください。
障害物があるとその場で爆発を起こして大変な事になります。
ガンナー席に座った状態で左クリックを押すと弾が発射されます。
レンジテーブルには着弾までの時間も書いてあるので観測部隊へ着弾時刻を教えてあげるとよいでしょう。

着弾

これで射撃は終了しました、本来であればFOから着弾観測の結果が届くのですが今回は直接自分で見に行きます。
見晴らしの良い場所にテレポートして着弾を観測した結果が下の画像です。

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かなり近いところにまで着弾していますが、直撃ではありませんでした。
実際ではここからまた微調整を行い着弾地点を修正していきます。

最後に

以上で基本的な迫撃砲の使い方は説明しました。
他にも着弾の修正方法や一度指向した迫撃砲を別の目標に向ける方法などなど応用がありますがそれはまた別の機会で紹介したいと思います。
かなり長くなってしまいましたがここまで読んでいただきありがとうございました。
Coopでの出番はあまり多くないかも知れませんが、迫撃砲が扱える人が増えればうれしいと思います。

迫撃砲で使用する装備品のクラスネーム

ミッション製作等で使用するクラスネームを書いて欲しいとの要望がありましたので以下に記載します。

説明 Display Name Class Name
迫撃砲 M253+M177 ACE_M252Proxy
M3A1 Base Plate ACE_M252TripodProxy
砲弾 81mm M821A1 HE ACE_M252HE_CSWDM
81mm M375A3 WP ACE_M252WP_CSWDM
81mm M853A1 ILLUM ACE_M252IL_CSWDM
レンジテーブル M252 81mm Range Tables ace_arty_rangeTable_m252
Aiming Post M1A2 M58 Aiming Post ACE_Arty_AimingPost_M1A2_M58
M1A2 M59 Aiming Post ACE_Arty_AimingPost_M1A2_M59
マップツール Map Tools ACE_Map_Tools
DAGR DAGR ACE_DAGR
Range Finder Vector 21B Nite Binocular_Vector
GLTDII SOFLAM Laserdesignator
Arma2 迫撃砲の使い方” への1件のコメント
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