【はじめに】
皆さんはCoop中にForward Observerというスロットを見かけたことはありませんか?
名前は知ってるし興味もあるけど、何をすればいいのか分からない~。
そんな感じに思っている人も少なくないと思います。
このページではFOとしての任務から、要求される行動や知識を(素人ながら)記述していきます。
ここに書かれている内容を実践できれば、
アナタはもうtriserverでベテランのFOとして胸を張って行動できるでしょう!
【Forward Observerってなんですか?】
Forward Observer(前線観測員)とは、
味方の迫撃砲や榴弾砲などの調整・観測・要請を主な任務として行う隊員のことを指します。
ArmA2のCoopでは航空機の誘導を行うFACと並んで観測員として重要な存在なので、
FOという名前だけ聞いたことがある方も多いでしょう。
最大でも小隊規模のミッションがほとんどのCoopですが、
リアルの米軍を例に挙げると、小隊にFOは存在せずその上の中隊の射撃支援チームという
ところにFOやFACなんかが配属されています。
そこから必要に応じて各小隊にアタッチされたり、
そのまま中隊長の指示で行動したりすることもあるようです。
この画像が中隊の射撃支援チームの構成です。興味がある人は読んでみて下さい。
しかし、Coopではそんな専門的なことを気にする必要はありません。
・FOは主力部隊と砲兵とをつなぐ重要な生命線である
・FOは歩兵小隊では小隊本部に配属される
・FOと主力部隊が別行動することも少なくない
これを押さえておけば大丈夫だと思います。
【FOの責任】
FOは上に書いた通り、砲撃に関してすべての責任を負います。
つまり砲撃の特性や砲撃がもたらす効果、危害範囲なども頭に入れておく必要があります。
またCoopというゲームの特性上、砲撃側にFDC(砲兵の指揮隊)が存在しないことが多いので、
弾の種類や信管の設定もFOが行うことが少なくありません。
この辺りも少し触れていきたいと思います。
【砲兵の種類とその違い】
砲撃観測を行うとき、まず最初に覚えておく必要があるのが砲の違いです。
triserverでは主に迫撃砲と榴弾砲を観測することになります。
ではその特徴を見ていきましょう。
[迫撃砲]
triserverで使える迫撃砲は西側で3種類、東側に1種類あります。
ここではその全体的な特徴を把握します。
特徴:
・射程が榴弾砲と比べて短め(口径によっても違いますがだいたい1~7km)
・山なりの弾道を描くため、障害物を避けやすい
・射撃速度(Rate of Fire:RoF)が高いため、単位時間あたりに多くの砲弾を投射できる
・射撃前のセットアップが榴弾砲に比べて速い
・目標の座標から300m以内はDanger Close (危険範囲)
・弾道が山なりのため風の影響を受けやすく、精度は低め
こちらが西側で使用できる3門の砲の簡単なデータになります。
東側はあまり使わないので割愛しています。
砲弾の種類等は後ほど解説しますので、これは軽く読んでおいて下さい。
[榴弾砲]
triserverで使える榴弾砲は西側ではM119、東側ではD-30となっています。
迫撃砲と同じように全体的な特徴を把握します。
特徴:
・射程が長い(M119の場合~14km程度、マップの端から端まで届くことも)
・弾道は迫撃砲に比べて直線的(それでも山なりではある)
・射撃速度(Rate of Fire:RoF)はそこまで高くないものの、砲弾一発の威力が高い
・射撃前のセットアップがちょっと大変
・目標の座標から600m以内はDanger Close (危険範囲)
・迫撃砲に比べて風の影響を受けにくく、一発の精度が高い
M119の基本的なデータです。
迫撃砲と榴弾砲で比べると迫撃砲の方が精度が良いと思われがちですが、実際は逆です。
迫撃砲は多くの弾を射撃して制圧するのが主なテクニックで、
逆に榴弾砲は少ない弾数で正確に威力のある弾を撃ち込むのが主となっています。
【砲弾と信管の種類・使い分け】
[砲弾]
迫撃砲や榴弾砲のデータに撃てる弾種を書きましたが、ArmA2で使用できる砲弾は5つあります。
どれもそれぞれ違った特徴があるので下の表にまとめました。
FOは砲撃要請をする際に使用できる弾の種類を確認し、
状況に合った弾が使われているか確認しなければなりません。
またはFDCがいない場合にはFOが弾を決めることもあるので、
使用するのに効果的な対象くらいは覚えておいた方がよいでしょう。
敵に対する攻撃を行っていく際には、
迫撃砲ではHE、榴弾砲ではHEとDPICMを基本的に使用します。
WPとSmokeに関しては煙幕の展開速度に違いがありますが、
Smokeの方がより隠蔽できる範囲が広いといった特徴があります。
両方使える際にはその点も考慮に入れるとなお良いでしょう。
[信管]
信管の違いも目標への効果に大きな影響を与えます。
適切な砲撃には適切な信管の設定が欠かせません。
以下の表はその一覧になります。
基本的には何に対しても一定の効果が認められる着発を使用しますが、
歩兵に対しては第一選択が近接信管になることが多いようです。
空中で爆発させた方がより広い範囲に破片を飛ばせることがその理由ですね。
ただ建造物に破片をまき散らしても意味がまったくないので、
建造物攻撃の際には遅延信管を主に使っていきます。
それではここまでが砲撃側のデータとなります。
お疲れ様でした、ここからはいよいよFOの行動についてとなります。
【ミッション開始後の準備】
ミッション開始後に準備時間があると思いますが、その間に装備のチェックを行います。
FOとして必要な装備は以下の通りですので、これを所持しているかしっかりと確認して下さい。
・長距離用の無線機(PRC-148,PRC-119など)
・地図(当たり前ですが)
・双眼鏡(VectorやSOFLAMがある場合は代替可)
・Vector21あるいはSOFLAMとバッテリー
・DAGR GPS
このうち上の3つは必須となります。
下の2つも持っていくことをものすごく強く推奨しますが、
なくても観測ができないということはありません。多分。
ミッションによってはない場合もあるかもしれない。
【OPの選択】
OPとはObservation Postの略で、日本語に訳すなら監視所といったところでしょうか。
敵の動きを観測する場所をOPと呼び、ブリーフィングで設定したりします。
ミッションによっては最初からOPにいたり、OPにテレポートできますが、
自分でOPの場所を決める場合には注意する点があります。
まず画像で見てましょう。
良いOPの例
あまり良くないOPの例
上記の画像は両方とも同じ町を見ていますが、まったく見え方が違いますね。
OPを選ぶときのコツは、基本的には標高です。
周囲と比べて標高が高いと広い範囲を見渡せますが、標高が低いとその逆です。
特にFOは着弾の観測をしなければいけないので、広い見通しが効く場所は有利になります。
また、高ければ高いほど目標との距離感(ズレ)が正しく掴めるというのも大きな理由です。
目標からズレた距離を正しく観測できないと、正しい修正の値で砲兵が射撃できません。
第一の基準を標高として、その中でも見晴らしのよい位置をOPにするとよいでしょう。
【修正射と効力射】
ここからが本番です。
まず砲撃要請を実際に行う前に、修正射と効力射の違いについて説明します。
砲撃は必ず修正射→効力射の順番で行われます。
修正射とは文字通り修正する射撃ですが、なぜ修正する必要があるかというと
目標の標高や座標で砲撃の諸元は決まりますが、加えて元のデータにない
風などの環境も(特に迫撃砲では大きく)関わってくるため、
ほとんどの場合において初弾が目標に直撃することはありません。
経験からすれば、目標の座標が正確でも数百メートルくらいは簡単にズレます。
そのズレを直してあげないと目標に当てることすらできませんので、
はじめに修正射を行わなければいけないというわけです。
修正射からの修正は、方位と距離で行います。
実際の軍隊ではミルによる修正を行っているみたいですが、
triserverでは東西南北で大丈夫です。
例えば目標から北に100m、西に150mズレた場合には
「修正、南に100m、東に150m」
となります。着弾位置からのズレを伝えるので、
北に弾着したら南に、西に弾着したら東に修正させます。
修正量は迫撃砲で50m単位、榴弾砲でも10m単位でいいと思います。
それ以下になると砲自体の精度の問題で、あまり意味がありません。
また、修正射は同時に数発撃つことをオススメします。
特に迫撃砲は砲弾の散布界が広いので、
1発だとどこを中心に着弾してるかを確認しづらいですね。
修正射で目標に直撃した場合はそのまま効力射に移ります。
直撃しなくても50m程度の修正であれば、
修正量を伝えたあとに修正射でなく効力射に入ってしまってOKです。
もし修正量が大きいようでしたら、修正射を繰り返します。
効力射とはそのまま、「効果のある射撃」ですね。砲撃の本番です。
これが始まったあとは修正ではなく、目標の損害を観測します。
【砲撃の要請】
砲撃の要請は以下の表通り行われますが、その前に目標の座標と標高を測っておいて下さい。
ここでは細かいやり方は解説しませんので、もし分からない方は分かる人に聞きましょう。
そのうち解説ページが作られるかも?
基本的にはこの表の順番通りに行います。
砲撃側が聞き間違えることのないよう、1ラインずつ区切っていいます。
1~4に関してはDAGRで測れさえすれば問題ないと思います。
MSLは海抜高度を意味しますが、マップ上に書かれている高度です。
DAGRを使っても海抜高度が出てきます。
多分一番難しいのが5.になってくるでしょう。
ここは砲撃側にFDCがいればやってもらえるのですが、
自分で砲弾や信管の選択を行えて損はありません。
10発、というのは効力射が始まった際に撃つ弾数です。
基本的には10発~20発くらいでいいでしょう。
あまり多いと時間がかかる上にオーバーキルになります。
弾種と信管の種類は上にその違いを示した表がありますので、参考にして下さい。
ほぼ全ての場面で応用できると思います。
この1~5を全て伝えれば、砲撃側は修正射に向けて準備を始めます。
時間は5~10分を見積もっておいて下さい。特に最初の砲撃開始までは時間がかかります。
このあとは修正射、効力射と続きます。
【最後に】
駆け足になりましたが、最後に交信例を挙げて終わりにしたいと思います。
豆知識として、修正射は「射撃と弾着」、効力射は「最終弾弾着」を砲兵側に報告してもらうと楽ちんですよ。
リアル交信で使うような英語も織り交ぜてみたので、参考にしてみて下さい。
あと、勝手ながら色々なところから画像をお借りしました。問題がありましたら削除しますのでご一報をお願いします。
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