ARMA3 フィールドマニュアル: 地図を読む

地図を読む

作戦地域の地形特性がどのようになっているかを理解し、戦闘時に敵より有利な位置を取ることは、目標の達成に不可欠です。ここでは Arma で使える地形の掌握と、地図の読み方ついてをまとめました。

目次

地図を読む

ここでは基本的な地図の表記や座標の読み方などについてまとめています。

地図の表記

地図には地表や建物の位置、そして形状が表示されています。ただし、縮尺や重要度の観点から見ていくつか表示されていない物もあることに注意が必要です。

ゲームでは衛星画像とミックスした状態で表示されていて、大体の地形や地表の特性が一目で分かるようになっています。例えば、濃い灰色は家屋や構造物で、黄緑色は森林や植生を表しています。小麦色は小麦畑などを表しています。

記号

記載されている記号は、自然によって出来た特徴、そして人工的な建造物の場所を表しています。黄色の道路は 2 車線の幹線道路を、中に点が表示されている三角点は丘を、灰色の線と丸は電線を表しています。

地図の表記

地図の右下には等高線間隔と線形目盛が表示されています。右上にはレイヤー切り替えボタンがあります。画像の左側では衛星画像と等高線図をミックスした仕様、右側では等高線図のみとなっています。

地形の読み方

稜線

全ての地形は複雑な地形として知られる、山と稜線から派生しています。稜線は決して尾根と交わらない地形のことで、両側へ標高が上下しながら広がります。また次に紹介する地形の中で、最も標高が高い場所です。

主な地形

代表的な地形として、丘や鞍部、谷、尾根、窪地があります。これらはしばしば地図上で表されます。

丘は周囲より高く、かつ山よりは低く勾配が緩やかな地形です。等高線では丸で示され、丘の頂上に近づくほど円の大きさが狭まっていきます。

鞍部、または馬の背は高所と高所の間にある、最も低い地点、もしくは窪みです。必ずしも高所より低い場所ではなく、尾根の中で低い地点も鞍部と言えます。鞍部の中から周囲を見ると、正対方向に高所があり、左右に低所へと向かう勾配があります。

谷は川などによって出来た山の溝で、3 方を木々や勾配のきつい勾配に囲まれ、残りの 1 方は低地に向かって下がっています。等高線では U 字や V 字で表されていて、等高線の間隔が狭いほど上流か高地に向かっています。

尾根は勾配している頂点のことで、3 方向からそれぞれ峰に向かう、傾斜角が異なる勾配があります。峰に沿って移動する時は、ほとんど目立たない勾配から急激な勾配への変化に気づきます。等高線では U 字や V 字になる傾向があり、最も等高線の間隔が狭い場所が頂上です。

窪地や溝、水路は地表上で高さが一段と下がっている所で、陥没穴とも知られます。

稀な地形

地図上ではあまり見かけない、沢や支脈、崖があります。

沢は小さく、谷までは大きくないところです。沢の中では水平の場所が無く、機動が制限されます。また谷と同じような形をしています。等高線では U 字や V 字で表されます。

支脈は稜線から勾配が連続的に伸びているところです。長さが短く、またいくつもの支脈が並行して並んでいることがありますが、沢によって区切られています。等高線では U 字や V 字で表されます。

崖は地表が急激に垂直、あるいはそれに近い角度へ変化しているところです。等高線にすると、余りにもきついその勾配は線が 1 つにまとまるほどです。

標高と起伏

地表の標高と起伏は、移動と位置取りへ大きく影響します。地図上で位置を知り、距離と方位を測り、特徴を掴みます。まずは地図で標高と起伏を理解します。

地図上では標高は標高点と、色付けされた等高線で地表や起伏を表しています。等高線には 5 本毎に記される主曲線 (赤色) と、補助曲線 (黄土色) があります。

標高は標高点が表記されているとすぐに把握できます。では等高線の間はどうでしょうか。

画像にある y 地点を例にします。この場合、まずは右下の縮尺、等高線間隔を把握しましょう。

等高線間隔が 5m とあるので、黄土色の補助曲線が 5m 間隔で表示され、赤色の主曲線が 25m 間隔になります。次に、等高線が複雑ではない為、y 地点から標高点 168 の間にある等高線を数えることにします。

y 地点から標高点 168 の間にある等高線の数は 9 本ですが、1 本足してキリの良い 10 本とします。なので 168 + 50 をして 218 となりますが、キリの良い 1 本分 (5 m) を引き、また y 地点は少しだけ下の位置になるので、最終的に y 地点は 213 から 216 メートルとなります。

傾斜の種類

地図上の起伏がどちらに向かって上がっている・下がっているのかを推定します。移動は標高だけでなく、傾斜角度も影響を及ぼします。傾斜角度は、等高線の間隔によって表されています。

等高線が広い等間隔で表されている場合、ゆっくりでなだらかな傾斜です。このような傾斜において、頂上の防衛側は設置射撃を使用し、攻撃側は傾斜を簡単に登れます。

等高線が狭い等間隔で表されている場合、きつい傾斜です。このような傾斜において、頂上の防衛側は設置射撃を使用し、攻撃側は傾斜を登るのに熟考が必要です。

等高線が頂上では狭い間隔で、裾では間隔が広くなっている場合、凹型の傾斜です。このような傾斜において、頂上の防衛側は傾斜の全部分は見えますが、設置射撃をできません。攻撃側は防衛側の間接射撃から身を隠せる場所がなく、また登るにつれて傾斜がきつくなり、移動も困難になります。

等高線が大きく広がり、頂上でも裾でも狭くなっている場合、凸型の傾斜です。このような傾斜において、頂上の防衛側は少しの範囲だけ設置射撃をできますが、傾斜の全部分が見えません。攻撃側は、殆どの部分で隠蔽を得られ、簡単に登れます。

座標の読み方

座標 (GRID) は地図上に緯度と経度を引いて、地球上の位置を明確化したものです。正確な座標を伝えれば現在位置や敵の位置を円滑に共有できたり、間接射撃と航空支援を呼べるため、任務達成をよりもっと行いやすくなるでしょう。

地図を最大まで拡大すると、100 メートル四方の区切りになります。現在地の座標を読むには、左から右に読み、そして上に読むと 6 桁座標が分かります。

地図の縮図によっては座標が 2 桁だったり 3 桁にもなり、精度にも反映されます。例えば、6 桁座標にある正方形は 1 辺が 100m です。4 桁の正方形は 1 辺が 1km です。8 桁座標では 1 辺が 10m になります。

マップ ツール

マップツールは地図上で使用しながら、直線の描画や距離と方位の計測、座標の測定ができるアイテムで、インベントリに持てます。 セルフ インタラクションを押すと 2 種類の大きさが選べますが、ここでは 6 桁座標を測定するために小さい方を表示します。

画像の赤枠は GRID 目盛です。GRID 目盛の 0.0 を測定したい座標の上に合わせて目盛りを読みます。

8 桁座標を求める時も同じです。目盛りの 1 より僅かに右側へあるので、0959 とし、最後の 8 桁目は目盛り 9 本目より内側なので 8 とし、8 桁座標は “0959 0548” と分かりました。

6 桁と 8 桁座標で数値がずれているのは、マップツールの精度の限界の為です。0.0 を合わせる位置やツールの線によってずれてしまいます。

ランド ナビゲーション

移動にコンパスと GPS は欠かせないツールなので、慣れておきましょう。またこれまでは地図の読み方をまとめましたが、ここではツールと地図を組み合わせて、どのように移動するかをまとめます。

実際に読む

通常、これまでの地形は単体で存在していることはありませんので、それぞれの地形の特徴を掴み、理解します。理解をするには次の特徴を観察し、またその位置を判別する練習をしてみましょう。お勧めの方法としては、形状、標定、大きさ、標高、勾配を観察します。

  • 形状は凹みや山の形など、外観を見ます。
  • 標定は現在の視点から見た時に分かる、地形全体の風貌や向きを見ます。例えば見たときに線状であったり、角度や横切っていたりといったことです。
  • 大きさは全体の長さや幅を見ます。
  • 標高は地形の高さです。これは周囲の中で、最も絶対的な特徴です。地形は最も高かったり、低かったり、より深かったり、浅かったりしています。
  • 勾配は均一か凸凹しているのかといった種類と、角度 (きついのか、なだからなのか) を見ます。

また稜線と支脈、沢沿いに等高線沿いになぞって地形の視覚化を分かりやすくすることで、移動に最適な低地などを通るルートを見つけ出す練習にもなります。画像では赤を稜線、青を谷と印ました。

撃てるのか撃てないのか

戦術面において等高線から標高を判別し、見通し線を考慮することは優れた方法ですが、精確さと速さが求められます。精確さには、2 つの地点を結んだ線上にある地表を、断面として見る必要があります。なぜなら山の陰は死角となるため、撃てなかったり移動に適している為です。

次は断面図を簡単に作る方法です。慣れると図を引かなくても、大まかな断面がわかるようになるはずです。

図のように自分の位置を A 地点とし、目標などを B 地点として、その間を結んだ線を見通し線とします。なお直線は CtrlShift を押しながら、 左クリック長押しで描けます。

そしてざっくりで良いので垂線を図のように書いて、断面図を作ります。見通し線の下にある主曲線を起点とし、線を標高グラフの標高に当てはまるまで書いてみます。すると線の終点を結ぶと地形の断面図が現れ、目標地点から見て死角の部分が分かりやすくなります。

距離を出す

地図は地表を縮尺して表示しています。地図上で距離を測り、実際の距離を求める事が出来ます。

地図から

マップ ツールを表示して、求めたい距離を出してみましょう。まずは自分の位置を A 地点とし目標を B 地点とします。

Alt左クリック長押しでマップツールの向きをドラッグで変更し、 CtrlShift を押しながら 左クリック長押しで直線を描き、目盛を当て読み取ります。目盛りはキロメートル単位で表記されているので、簡単に水平距離を読み取れますが、高低差を考慮していないことに注意が必要です。

ここではおおよそ 550 メートルから 560 メートルだと推定できます。

100 メートル測定法

戦術的に距離を確定させる必要性もでてきます。100 メートル測定法では、地表にて予め 100 メートルの距離を視覚なりで覚えておき、おおよその距離を 100 メートルずつ目測します。500 メートルまで目測したら、そこを中間点として、更に 100 メートルずつ目測します。

距離の想定は光速でも可能です。爆発や発射炎を確認し、それらの音が聞こえるまでの数を数えます。聞こえるまでの秒数に 330 メートルを掛けると、おおよその距離が出ます。

これらの方法の精度を高めるには、慣れが必要です。マップ各地を双眼鏡などで地点までの距離を想定し、レンジファインダー等で答え合わせという練習が効果的です。

方位角を出す

方向は日常的に使用しますし、ナビゲーションにおいて重要な一部です。ここでは K キーで表示できるコンパスではなく、マップツールを使った方位角の測定をまとめます。

距離を測るのと同じようにマップ ツールを表示し、現在地と中心点を被せます。そして Alt を押しながら、左クリックのドラッグで目標の方向へと向きを変えます。なお目標地点から現在地点までの方位を逆方位と言います。

位置を知る

これまで紹介した地形を判別したり、地図とコンパスを使って現在地を判別してみましょう。最も大事なのは移動して現在地を判別する前に、開始地点の地形を分かっておくことです。

現在地を知るにはまずは今の場所から見える主な地形 (丘や谷、稜線、窪地、鞍部) を見つけ、等高線をじっくりと観察し、一つずつ地図上と見える地形を一致させてください。

地図上の植生と照らし合わせる時は、地図に表示されるほど大きく、特徴的な植生にしましょう。ですので、ワイン畑や農園、果樹園の記号を覚えておくとよいでしょう。それに、湖の大きさや形状、川につながる支流や向きといった陸水域は非常に役立ちます。

人工物は現在を知るのに極めて重要です。地図上では専用の記号で表されます。例えば、建物の向き、道路、橋、高圧線といった物は簡単に見つけられるでしょう。

交差法

交差法は予め判別している 2 つ以上の地点を使って、求めたい地点までの距離を出したり、目標地点の正確な位置を地図上に出せます。基準点が多くなればなるほど、精度が増します。

  1. 地図上で現在地に印をつける
  2. コンパスで求めたい地点への方位を出す
  3. 地図上で出した方位の線を引く
  4. 次の地点へ移動し、1 ~ 3 を繰り返す

この方法では基準点から伸ばした線が交わる点が、求めたい地点になり、そこから距離なり座標を出せるようになります。

改良切除法

改良切除法は予め判別している、道路や川、水路といった線上的な地形、ランドマークを把握しているときに、地図上で位置を特定できます。

  1. 地形を掌握するか、コンパスを使用して参照する地点を決める
  2. 地図上と目視できる地点までの距離を測る
  3. 地図上で地点への方位を出す
  4. 地点から逆方位を出し、地点から逆方位に沿って線を引く
  5. 線を地点からの距離を測る

安全で、確実なルートを選びましょう。敵からの死角ルートを選ばずに、射線上を通ったり、高所から飛び降りて負傷したり、車両の横転は時間を失い、任務達成の足かせとなります。

参考文献:
Collins, J. M. 1998. Military Geography for Professional and the Public, Washington, DC: National Defense University Press.
TC 3-25.26, Map Reading and Land Navigation, November 2013, Headquarters, Department of the Army.

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